光のもとでⅠ

 ジャガイモを口に入れると、
「金額は言わないようにってご両親から口止めされてるの。だから、知りたいならご両親に訊きなさい」
 "両親"という言葉にドキリとした。
 手に持っていたフォークを落とすほどには。
 すると、備え付けの戸棚から、藤原さんがきれいなフォークを取り出してくれた。
 戸棚、というよりはクローゼット。
 その中には私が普段家で着ているパジャマやルームウェアが吊るされていて、ほかにも愛用のチビバッグもある。
 あとはストールや膝掛け……。
「昨夜、ご家族がいらっしゃったのよ。ご両親とお兄さんふたり」
 え……?
「寝てる顔を見て安心して帰っていったわ。とくにお母様とお兄さんふたり」