光のもとでⅠ

 は……?
「この下の階までは万床だけどね。この棟の九階に入院できる患者さんはあまりいないわ」
「なんでですか?」
「この階のこちら側はランクの高い個室だから。支払い能力のある患者さんしか入れないの。その上の十階は藤宮専用フロアと言っていいわね」
「あの……このお部屋の一日のお値段は?」
 訊かずにはいられなかった。
 でも、藤原さんはふふ、と笑って「秘密」と口にした。
 それほどに高いのだろうか。
「だから、人の迷惑とか考えずに痛ければ泣き喚いても何しても大丈夫よ」
 唸る私に藤原さんは、「ほら、ご飯食べなさい」と朝食を促した。