「ちょうど七日後がインハイなんだ……」
 唐突に言われ、少し先輩の様子をうかがう。
 先輩の目は遠くを見ていた。
「がんばってくださいね。応援には行けなくなっちゃったけど……」
「……結果、俺が報告するまで誰からも聞かないで」
「……え?」
「午後四時、院内の携帯がつながるところにいて。翠のいる階の一番端は携帯が使えるコーナーだから」
 先輩に病院の見取り図のようなものを渡されて、場所の確認をした。
「吉報を待ってます」
「それまでは、朝早くか昼前、もしくはこんな時間にしか来れないけど――」
「あのっ、だから、本当に無理して来ないでくださいっ」
「無理じゃなくて見張り……っていうか、翠と話したくて来てる」
「え……?」