光のもとでⅠ

「これを毎日、朝と夜の二回やる。耐えられるか?」
「はい、大丈夫です。神経ブロックや激痛発作と比べたらはるかに楽です」
「よし。じゃ、あとは夕飯を食べてリラックスして明日に備えろ」
 病室を出ていきそうだった先生と藤原さんに慌てて声をかける。
「あのっ、私……頭がちゃんともとに戻るまで、ひどいこと言っちゃうかもしれません。でも――」
「いいのよ」
 私の言葉を遮って口にしたのは藤原さんだった。
「患者のつらさを受け止めるのも私たちの仕事。それに、早くここから出たそうだし、そんなに時間もかからないでしょう」
 悠然と微笑む様には貫禄を感じた。
「完全復帰したらしっかり謝ってもらうことにする」
 そう言ったのは神崎先生で……。
 ふたりの器の大きさに感謝した。
 特別扱いは嫌だと言いながら、今は特別扱いされていることにほっとしている自分がいる。