「んじゃ、診察とまいりましょうか」
「え?」
「しーんーさーつ。俺、医者。翠葉ちゃん、患者。OK?」
「……はぁ」
 主治医とはわかっているものの、どうもお医者様には見えなくて、一瞬何を言われたのかがわからなかった。
「手当たりしだい、身体に触っていく。痛いと思ったら言えよ?」
「はい」
 頭から爪先まで、くまなく身体に触れられた。
 カルテには人間型の判が押されてあり、そこに事細かにチェックを入れていく。
 そこにPHSが鳴った。
「はい、神崎。――あー、持ってきてください」
 会話は以上。元通り、白衣のポケットにPHSをおさめる。
「今からひとつ検査をする」
「……何をするんですか?」
 それは痛い……?