「外……連れていってくれるっていうの……」
 自心なさ気に不安そうな声音が答えた。
「わかった……。その代わり、翠も守れよ?」
「……何、を?」
「二学期に間に合わせるってやつ」
 言った途端、また目に力がこもる。
「絶対、間に合わせるもの――」
 きっと売り言葉に買い言葉。そんな感じだろう。
「俺、口にしたことを履行しない人間が大嫌いなんだ。だから、くれぐれも有言実行でよろしく」
 言いながら翠の側へ寄った。