「もっとらしくないって言われそうだけど、ちょっと情が移ったかもしれない」
「本当にらしくねぇな」
本当だ――。
「昇……?」
運転席から遠慮気味に栞が声をかける。
「なんだ?」
「翠葉ちゃん、本当にすごくいい子なの……」
栞が言いたいことはなんとなくわかる。
「話に聞いていた素直な子って感じには見えねえけどなぁ? だって、こんな状態で入院を拒否してんだろ?」
「……今はちょっとおかしいだけで、普段は人のことばかりを考えている優しい子なの」
声のトーンが落ちていく。
「……まぁな。痛みってのは度を越すと人格をも変える威力を持ってる。本当に普段がいい子なら、それだけの境地にいるってこったな」
「……どうにかできる?」
私が訊くと、昇は苦笑を浮かべた。
「本当にらしくねぇな」
本当だ――。
「昇……?」
運転席から遠慮気味に栞が声をかける。
「なんだ?」
「翠葉ちゃん、本当にすごくいい子なの……」
栞が言いたいことはなんとなくわかる。
「話に聞いていた素直な子って感じには見えねえけどなぁ? だって、こんな状態で入院を拒否してんだろ?」
「……今はちょっとおかしいだけで、普段は人のことばかりを考えている優しい子なの」
声のトーンが落ちていく。
「……まぁな。痛みってのは度を越すと人格をも変える威力を持ってる。本当に普段がいい子なら、それだけの境地にいるってこったな」
「……どうにかできる?」
私が訊くと、昇は苦笑を浮かべた。


