光のもとでⅠ

「……なるほどねぇ……。面白いくらいに検査には何も引っかからないわけか」
 カルテや検査結果に目を通すと、昇が一言もらした。
「そ、でも痛みは相当みたいね」
「昔から言われている疼痛ってやつだなぁ……」
 のんきな様がムカつく。
「ペインビジョンは?」
 あ――迂闊だった。
「とっとと紫さんか涼さんに連絡しろー。あるなら検査に使う。ないなら買ってもらえ」
 藤宮病院にペインビジョンはない。
 ペインビジョンとは痛みを数値化することができる検査機器だ。
 それはすぐに電話をして手配をお願いした。
「それで原因がわかるわけじゃない。でも、どの程度のものなのかは知っておかないとな。それから、重度の自律神経失調症ってのも気になる」
「ほんと、ひどいのよ……。これ、あの子のバイタル」
 秋斗が作り出した黒いモニターを昇に差し出す。