「りっちゃん、現場の指揮を任せられる?」
「大丈夫です」
「それと、碧の仕事がどこまで終わってるのかわかるかな?」
「ざっと二週間分くらいだと……」
「そう……」
 ま、夜通し仕事してたしなぁ……。そんなもんだろう。
「そう、って……零樹さんっ!?」
「あぁ、ごめんね」
 苦笑いでごまかせるものでもないか。
 碧にジャケットをかけ、血の気の失せた頬に触れてから抱き上げる。
「ここのところ食べても戻してたし、夜もほとんど寝ずに仕事してたんだよね」
「っ……!? じゃ、痩せて見えたのって気のせいじゃなかった――!?」
 りっちゃんは心配そうに碧の顔を覗き込んだ。