またなのか――?
ひとり会食を抜け、部屋へ戻ると言った彼女がリビングからいなくなっても廊下から目が離せなかった。
細い華奢な後ろ姿が残像となる。
まだあの症状を持っているなんて、俺聞いてなかったんだけど……。
それとも、誰も気づいていないのか……?
まさか、この姉に限ってそんなことはないだろう。
それに司の対応――直後の姉の言動……。
少し前にも同じようなことがあったと確実にわかる行動だった。
「姉さん、翠葉ちゃんのあれ……頻繁にあるの?」
「頻繁ではない。私の前では二回ね」
二回……?
「一度目は?」
「雅さんが絡んだときに一度。状態は今よりも悪かった」
姉さんではなく弟の司が教えてくれた。
ひとり会食を抜け、部屋へ戻ると言った彼女がリビングからいなくなっても廊下から目が離せなかった。
細い華奢な後ろ姿が残像となる。
まだあの症状を持っているなんて、俺聞いてなかったんだけど……。
それとも、誰も気づいていないのか……?
まさか、この姉に限ってそんなことはないだろう。
それに司の対応――直後の姉の言動……。
少し前にも同じようなことがあったと確実にわかる行動だった。
「姉さん、翠葉ちゃんのあれ……頻繁にあるの?」
「頻繁ではない。私の前では二回ね」
二回……?
「一度目は?」
「雅さんが絡んだときに一度。状態は今よりも悪かった」
姉さんではなく弟の司が教えてくれた。