部屋に入ると唯はベッドを陣取り、箱を前に慎重にガムテープを剥がし始めた。
 まるで危険物でも扱うような様に笑いがもれる。
 あと少しでガムテープが全部剥がれる、というところで唯は手を止め顔を上げた。
「あんちゃん、びっくり箱とか時限爆弾だったらどうしよう……」
 本気で考えているように見えるからおかしい。
「さすがにそれはないだろ?」
「いや……爆発音くらいは予想しておかないと俺のかよわい心臓が止まるかもしれないし……」
 秋斗先輩……。
 あなた、唯にいったいどれだけのいたずらを仕掛けたんですか……。
 そんなことを思いながら、問題の箱を検分する。
 箱は普通のダンボールでとても仕掛けがしてあるようには見えなかった。
 ガムテープを剥がし終わり、箱を開けると――。