翠葉がお風呂に入ってしばらくすると、インターホンが鳴った。
 ドアの外には葵が箱を持って立っており、
「秋斗先輩から若槻様宛てです」
 荷物を受け取ったあと、今度環と三人で飲みに行こうなんて話をしてドアを閉めた。
 振り返ると、廊下で不思議そうな顔をして唯が箱を見ていた。
「秋斗さんから小包って何……。超怖いんだけど……」
 身を引き気味に、唯がまじまじと箱を凝視している。
「珍しいことなのか?」
「珍しいどころじゃないよっ! だってあの人、基本はメールか電話一本で一方的によろしく! って物投げてよこして以上終了だもんっ」
 なんとも先輩らしい……。
「とりあえずは開けてみたら?」
「あんちゃん、怖いから一緒にいてっ」
 唯は自分の部屋ではなく俺の部屋へ向かって歩きだした。