光のもとでⅠ

 マッサージをするのに場所を翠の部屋へ移し、翠はベッドで眠そうに目を瞑ったり開けたり繰り返していた。
「寝てもかまわない」
 今日、どのくらいの時間痛みが続いたのかは知らないけれど、発作が起きたことは聞いていた。
 激痛発作が起きるとものすごくエネルギーを使うということも聞いている。
 きっと身体が疲れているのだろう。そこへ、副交感神経を優位にする薬を飲んだのだ。
 眠くなって当たり前……。
 腰のマッサージが終わり、手を背中へ移動させたとき――。
「先輩っっっ」
 翠の身体が反射的に逃げた。
「悪い……痛かった?」
「ごめんなさい……そこは痛いから今日は嫌です」
「わかった。……首元に触れる」
 少し焦った。