「……でも、まだ無理そう……。ひどいことを言うのは嫌……」
「……わかった。それまでは俺が全部引き受ける」
 ずいぶんと優しいことを言う……。
「……また、余裕がなくなったらひどいことを言うかもしれない。……それでも?」
「だから、いいって言ってるだろ? その代わり、俺だって言いたいことは言わせてもらう」
 言質取るってこういうことを言うのかな?
 でも、最後にはきちんと自分も言いたいことは言うって宣言するあたりが先輩だ。
「何?」
 訊かれて首を横に振った。
「司先輩はどこまでも司先輩だなって思っただけです」
 最後の一口を飲むと、途端に眠気が襲ってきた。
 身体が重い……。
「先輩、疲れた……」
「寝ればいい。痛いことは翠が寝てる間に全部終わらせてもらうように言っておく」
 先輩、ありがとう……。
 少し楽になれた気がする――。