光のもとでⅠ

 数を数えてくれた声と同じ――。
 堰を切ったようにまたあふれ出すしょっぱい水滴。
「先輩……私、病院に入っても治療できないのよ……?」
「緩和ケアは受けられるだろ?」
「でも……緩和するだけよ? ベッド待ちの患者さん、たくさんいるの知ってる……。なのに、私なんか入っていいのっ!?」
 先輩は呆れたって顔でため息をついた。
「あのさ……今の翠はどっからどう見ても重病人。このままだと死ぬけど?」
 "死ぬ"なんて言葉を喋っているのに、世間話をするかのごとく普通に話す。
 そんな先輩に自然と笑みがもれた。
 でも、全然かわいくもなんともない、単なる苦笑い。
「それでもいいと思った。……痛みから解放されるなら、もう、それでもいいと思ってる」
 バカげたことだと思われるだろうか。
 でも、もうこの際だ……。
 吐き出してもいいかな? 聞いてくれるかな?