何も訊かずに天蓋を開け、手に持っているカップを口もとに近づけられる。
「……いらない」
でも、これなら飲める気がした。
「いいから……一口でも飲め。まずはそこからだろ?」
カップをじっと見つめ、吐き気を感じないことを確認する。
やっぱり大丈夫……。
カップに手を添えると、手に痛みが走って震えた。
それを察してか、先輩はカップから手を離さずゆっくりと傾けてくれる。
少しずつ、少しずつハーブティーが喉へ流れ込む。
薬のせいで唾液が出づらくなっていた口の中が久しぶりに潤った。
美味しいと思えた……。
「一気に飲もうとするな。咽るだろ」
一度カップを取り上げられ、
「少し落ち着いたか?」
声が優しかった。
いつもの先輩の声だった。
数を数えてくれた声と同じ――。
「……いらない」
でも、これなら飲める気がした。
「いいから……一口でも飲め。まずはそこからだろ?」
カップをじっと見つめ、吐き気を感じないことを確認する。
やっぱり大丈夫……。
カップに手を添えると、手に痛みが走って震えた。
それを察してか、先輩はカップから手を離さずゆっくりと傾けてくれる。
少しずつ、少しずつハーブティーが喉へ流れ込む。
薬のせいで唾液が出づらくなっていた口の中が久しぶりに潤った。
美味しいと思えた……。
「一気に飲もうとするな。咽るだろ」
一度カップを取り上げられ、
「少し落ち着いたか?」
声が優しかった。
いつもの先輩の声だった。
数を数えてくれた声と同じ――。


