光のもとでⅠ

「その代わりっ、さっき言ったこと守ってよねっ!?」
「……外に連れ出すって部分? それとも壁紙? 空調?」
 ……さっきのは売り言葉に買い言葉だったのだろうか。
 不安に思いながら、
「外……連れていってくれるっていうの……」
 返される言葉が怖かった。けれども、
「わかった……。その代わり、翠も守れよ?」
「……何、を?」
「二学期に間に合わせるってやつ」
 何度も同じこと言わないでよ……。
 私、自信なんて全然ないんだから。でも、先輩に嘲笑われるのだけは嫌……。
「絶対、間に合わせるもの――」
 先輩はまた余裕そうに笑って見せた。
「俺、口にしたことを履行しない人間が大嫌いなんだ。だから、くれぐれも有言実行でよろしく」
 言いながら、ベッドのすぐ側までやってきた。