光のもとでⅠ

「……嫌い嫌い嫌いっ。ムカつく、出てってっ。入ってこないでよっ、部屋にも、心にも――」
 ムカつくし、悔しいし、つらいし、涙が止まらない。
「このままここにいたら学校にはもう出てこられないかもしれないな。そしたらまた休学でもするのか? それとも二度目の自主退学?」
「どうしてそういうこと言うのっ!? なんで、どうして、嫌い……」
「……今病院へ行けば二学期には間に合うと思うけど?」
「…………間に合うもの――間に合わせるものっ」
 どれだけがんばって期末考査を受けて、足りない授業を受けに行ったと思っているのっ!?
 なのに、そんな簡単に休学とか自主退学とか言わないでよっ。
 悔しさに押されてそうは答えたけれど、この痛みは夏休み中に治まるのだろうか……。
 例年とは違いすぎる痛みに不安しか感じない。
 その不安を抑えこみ、先輩をキッ、とにらみつけると、先輩はにやりと笑った。
 組んでいる足が長くて、やけに様になる姿にもムカつく。
「それにはまずここから出ることだな。白亜の部屋のお姫様」
 シニカルな笑みが似合うとはいえ、白亜の部屋の姫だなんてひどすぎる。
 まるで、"わがまま姫"と言われてる気分だ。
 もうやだ、本当にムカつくっっっ。