ふざけたこと言わないでよ……。何も知らないくせに。
「勝手なこと言わないでよっ。あそこに入ったらいつ出てこられるっ!? 何日!? 何週間っ!? 何ヶ月っ!? 一年っ!? ねぇっっっ」
 もう無理……。何もかもが抑えきれない。
 悔しさと不安と恐怖。
 すべて心の中で蓋をしてあった箱からあふれ出す。
 それらは憎悪のように醜くて鋭くて――でも、一度流れ出したものはまるでマグマのように次から次へとあふれ出す。
 先輩は口を真一文字に結び、じっと私を見ていた。
「答えられないくせに……。なのにそんな無責任なこと言わないでっっっ」
 呟くでも話すでもなく、叫んでいた。
 そうして叫んだとき、奇跡的に身体を起こすことができた。
 先輩は微動だにしない。
 こんなことで言葉に詰まるくらいなら、来ないでよ……。
 先輩を睨みつけていると、口端が少し上がった。