どうして司先輩がっ!?
この声は好きだけど――今はちょっと困る。
すごく、困る。
戸惑う自分を叱咤して返事をする。
「入ってこないでくださいね」と、一言。
発した声が震えていないことにほっとした。
「……入るから」
数を数える声よりも若干低い声がそう応えると、ドアが開いた。
どうして入って来ちゃうんだろう……。
私は横になったまま目を瞑っている。
だって、もう起き上がる気力も目を開ける気力もないの。
「聞こえませんでしたか?」
返事はない。でも、気配が動く気がした。
「それ以上近寄らないでください」
きっと今はドアの前。
静かにドアを閉める音がするものの、人の気配はなくならない。
この声は好きだけど――今はちょっと困る。
すごく、困る。
戸惑う自分を叱咤して返事をする。
「入ってこないでくださいね」と、一言。
発した声が震えていないことにほっとした。
「……入るから」
数を数える声よりも若干低い声がそう応えると、ドアが開いた。
どうして入って来ちゃうんだろう……。
私は横になったまま目を瞑っている。
だって、もう起き上がる気力も目を開ける気力もないの。
「聞こえませんでしたか?」
返事はない。でも、気配が動く気がした。
「それ以上近寄らないでください」
きっと今はドアの前。
静かにドアを閉める音がするものの、人の気配はなくならない。