学校で桃華さんたちと出逢って世界が変わって見えたこと。
 球技大会が楽しくて仕方なかったこと。
 みんなに誕生日を祝ってもらえたこと。
 秋斗さんに好きと言ってもらえたこと。
 こういうの、走馬灯とは違うんだよね。
 走馬灯ってどんなのかな……。
 学校、楽しかったな。
 怖いことも恥ずかしいこともびっくりしたことも、嬉しいことも何もかもが色鮮やかに思い出せる。
 そんなことを考えていると、ドアをノックする音が聞こえた。
 何……今度は誰?
「翠……俺だけど」
 っ……司先輩っ――!?