一から十までの数が耳の奥でこだまする。
あちこちが痛む体をおして身体を起こす。
「秋斗さん、そこにハサミがあるので取ってもらえますか?」
カウンターを指差しそれを求めると、
「え? あの持ち手が青いのかな?」
秋斗さんは何を疑うことなく腰を上げた。
「ハサミがどうかした?」
疑問に思いながらハサミを手渡された。
「秋斗さんは私の髪の毛が好きだと言ってくれましたよね?」
「うん、すごく好き。もちろん翠葉ちゃん丸ごと好きなんだけど。でもなんでハサミ――」
ザク――。
はらり、と自分の髪がお布団に落ちる。
私は躊躇せず左サイドの髪を一束切り落とした。
「翠葉ちゃんっ!?」
左手に握った髪の毛を秋斗さんに差し出す。
「これ、差し上げます」
上手に笑みを浮かべられただろうか。
今までで一番きれいに笑えていたら上出来。
あちこちが痛む体をおして身体を起こす。
「秋斗さん、そこにハサミがあるので取ってもらえますか?」
カウンターを指差しそれを求めると、
「え? あの持ち手が青いのかな?」
秋斗さんは何を疑うことなく腰を上げた。
「ハサミがどうかした?」
疑問に思いながらハサミを手渡された。
「秋斗さんは私の髪の毛が好きだと言ってくれましたよね?」
「うん、すごく好き。もちろん翠葉ちゃん丸ごと好きなんだけど。でもなんでハサミ――」
ザク――。
はらり、と自分の髪がお布団に落ちる。
私は躊躇せず左サイドの髪を一束切り落とした。
「翠葉ちゃんっ!?」
左手に握った髪の毛を秋斗さんに差し出す。
「これ、差し上げます」
上手に笑みを浮かべられただろうか。
今までで一番きれいに笑えていたら上出来。