「天蓋の中に入ってもいい?」
「っ――だめです」
あぁ、私、上手になったな……。
きっと笑みをきちんと添えられている。
声には抑揚を付けることもできた。
そんなことすらわかるようになってしまった。
変な感じ……。
表情も声も、全部私のもので私が意図して発しているものなのに、現実味がない。
自分が話しているのに全然自分らしくなくて、自分ではない誰かを見ている気すらする。
「お姫様はご機嫌斜めかな?」
秋斗さんはクスリと笑って見せた。
最近では誰かが笑う声も聞いてはいなくて、どこか新鮮さを覚えた。
「そうです……お姫様はご機嫌斜めなので、近づかないほうがいいですよ」
「とてもご機嫌斜めには見えないんだけどな」
秋斗さんは天蓋の外で普通に笑っていた。
秋斗さん、お願い……。
早くこの部屋から出ていって……。
「アンダンテでプリンを買ってきたんだ。食べない?」
また食べ物――。
「っ――だめです」
あぁ、私、上手になったな……。
きっと笑みをきちんと添えられている。
声には抑揚を付けることもできた。
そんなことすらわかるようになってしまった。
変な感じ……。
表情も声も、全部私のもので私が意図して発しているものなのに、現実味がない。
自分が話しているのに全然自分らしくなくて、自分ではない誰かを見ている気すらする。
「お姫様はご機嫌斜めかな?」
秋斗さんはクスリと笑って見せた。
最近では誰かが笑う声も聞いてはいなくて、どこか新鮮さを覚えた。
「そうです……お姫様はご機嫌斜めなので、近づかないほうがいいですよ」
「とてもご機嫌斜めには見えないんだけどな」
秋斗さんは天蓋の外で普通に笑っていた。
秋斗さん、お願い……。
早くこの部屋から出ていって……。
「アンダンテでプリンを買ってきたんだ。食べない?」
また食べ物――。


