お母さんは初めて会う担任の先生に日ごろの礼を述べたり、現在の体調などを話していた。
「だいたいのことは校医の湊先生からうかがっています。御園生は成績優秀者ですし、素行にも全く問題がないので校長のうけもいい。ですので、温情処置を各所でいただくことができています。きっとこれからも大丈夫でしょう。二学期には病院と学園間の通信授業のシステムが完備します。御園生はその待遇を受けられる生徒なのでご安心ください」
 そんな話を聞いていると湊先生が寄ってきた。
「あと二百ミリリットルは入れたいわね」
 ……点滴、五百ミリリットルじゃ足りないんだ。
 ベッドに横になってあと一時間くらい寝てなさい」
 と、奥のベッドへ追いやられた。
 仕方なしにベッドへ横になると、久しぶりに起きている時間が長かったからか、すぐに睡魔に襲われた。
 お母さんと湊先生が何を話すのか気になって仕方ないのに、睡魔に抗うことはできなかった。