光のもとでⅠ

 保健室に着くと、すでにお母さんが待っていた。
「大丈夫だった?」
 お母さんは私に声をかけると、すぐに桃華さんと司先輩に向き直る。
「翠葉の母です。翠葉にいつも良くしてくれてありがとう」
「簾条桃華です。翠葉とは同じクラスで席が前後なんです」
「あら、あなたが桃華ちゃんなのね。翠葉からよく話を聞いているわ。いつもありがとう」
「先日はどうも……」
 先輩は言葉少なだけれどきちんと会釈する。
「こちらこそ。司くんのことも翠葉から話を聞いてるの。いつも助けてくれる人って……。本当にお世話になっているみたいでありがとう。きっとこれからも手のかかるクラスメイトで後輩だと思うの。でも、翠葉のことお願いできるかしら……」
 少し不安そうにふたりに尋ねると、
「もちろんです。助けになれるのならいくらでも」
 すかさず桃華さんが答えたのに対して、司先輩は
「医療従事者を志すものとして、放っておける対象ではないので」
 はっきりとしたものいいだった。けれど、私からしてみたら微妙な返事だった。