四限の授業が終わり、帰りの支度をしていると、気づけば私を取り囲むようにクラスメイトが集っていた。
「桃華からこのあとはもう学校に来ないって聞いたけど……」
 点滴スタンドに目をやりながら海斗くんに訊かれた。
「うん。でも、すぐに夏休みだしね。夏休み中には体調を立て直す予定」
「終業式にも来ないってことだよね?」
 小さな声で訊いてきたのは飛鳥ちゃん。
「できれば出席したいのだけど、立ってるのがきついから、全校生徒が集る中で倒れるよりはいいかな、と思ってる」
「通信簿はどうするの?」
「たぶん蒼兄に取りにきてもらうことになるかな」
 成績表以前に、期末考査のテストがまだ返ってきていない。
 いったいどれだけの点を取れたのか……。
 心の隅で不安の塊となっていた。