光のもとでⅠ

「仕方ないのかな……」
 "仕方ない"という言葉で納得してしまうのはある意味楽だ。
 でも、うちのクラスはいいけれど、ほかのクラスの人たちや移動教室の人たちに見られるのは抵抗あるな。
 そんなことを考えながら眠りにつく。

 頬にツン、と刺激があって目が覚めた。
「……司先輩?」
「そう。あと十分で終業チャイムが鳴る。その前に教室まで移動」
 と、点滴スタンドに手を伸ばした。
 え……。ということは、まだ終業チャイムが鳴る前?
「今、授業中ですか?」
「そう」
 そうって普通に答えるけど……。
「うちのクラス自習だから」
 目を白黒させていると、
「なかなか気の利く弟でしょ?」
 と、湊先生がシニカルな笑みを浮かべていた。