「昇降口で桃華が待ってるからそこまで送るよ」
 ふたりが付き合っているということにはものすごく驚いたのに、とてもしっくりくる組み合わせだから違和感を覚えることなくその話を聞いていられた。
 付き合っているということ聞いてから、ふたりが一緒にいるとこを見るのは初めて。
 でも、全然違和感はないんだろうな……。
 今日は一限と二限に出席して、三限は保健室。四限を出席したら保健室でお母さんと合流。
 昇降口へ着くと、蒼兄の言っていたとおり、桃華さんが昇降口で待っていてくれた。
「翠葉、おはよう! 蒼樹さん、おはようございます」
「おはよう」
 蒼兄は優しい顔で答えた。
「翠葉……?」
 桃華さんに顔を覗きこまれてはっとする。
「あ、ごめんね。おはよう、桃華さん」
「どうしたの? 別に翠葉から蒼樹さんを取ったりしないから安心して?」
 桃華さんに言われて妙に慌ててしまう。