「翠葉……?」
「ごめんね……。私がここにいると蒼兄や唯兄にはたくさん負担がかかる。でもね、ここにいたいの」
 目を見ては言えない。
 自分の最大のわがままだとわかっているから。
「……いいよ。負担じゃないから。ただ、完璧なサポートはしてやれない。それはわかってるんだろ?」
「うん」
「そのための俺じゃないの?」
「「え……?」」
 三つ目の声は蒼兄の声よりも少し高い唯兄のものだった。
「俺もちゃんと兄妹に混ぜてよ」
 と、どこか遠慮気味に口にする。
「でも……」
「俺は免許も持ってないからあんちゃんみたいに車をすぐに出してどうこうってできない。でも、タクシーは呼べるし過呼吸くらいの対応はできる。救急隊に飲んでる薬や症状の経過を話すこともできるよ」
 唖然としていると、
「だって」
 と、蒼兄が私の手に力をこめた。