光のもとでⅠ

「いつかアルバム見たいな」
「そうだな。まさか親子揃って同じ高校を出ることになるとは思わなかった」
「私はまだ入っただけだよ……」
「入ったら出ないとな? ちゃんと卒業って形で」
 と、優しい笑顔を向けては頭をくしゃくしゃとされた。
 そこにお母さんが入ってくる。
「私もいい?」
 と、どこか遠慮気味に。
 私は笑みを浮かべて頷いた。
 別に嫌いだから側にいてもらいたくないわけじゃない。
 大好きだからだ……。
「零ばっかりずるいわよっ」
 と、お母さんは口を尖らせてお父さんの腰辺りにグーパンチを繰り出す。
「そんなこと言われてもなぁ……。いつもの電話は碧が独占してるじゃないか」
 と、お父さんも負けてはいなかった。
 そんなふたりを見るのも久しぶりで、幸せな気持ちになる。