静さんは一杯のお茶を飲むと席を立った。
お見送りをしたくてお父さんと静さんが話しているのをじっと見ていると、
「何か私に話したいことがあるのかな?」
と、ドアを出る寸前でこちらを振り返った。
コクリ、と頷くと、
「若槻、姫君の点滴を持つように」
「Yes,Sir」
蒼兄が点滴のパックを窓際から外すと、それを唯兄が持ってくれ、立ち上がる私を支えてくれた。
ゆっくりと歩き開放感のある玄関にたどり着くと、
「さて、話とはなんだろう?」
静さんは玄関手前の壁に寄りかかっていた。
「あの……ありがとうございます」
「何がかな?」
「湊先生に呼ばれていらしてくれたんじゃ――」
「そのとおりだ」
静さんは一度言葉を区切り、
「翠葉ちゃん、どうしても人にかまわれたくないのなら私のところへ来るといい」
お見送りをしたくてお父さんと静さんが話しているのをじっと見ていると、
「何か私に話したいことがあるのかな?」
と、ドアを出る寸前でこちらを振り返った。
コクリ、と頷くと、
「若槻、姫君の点滴を持つように」
「Yes,Sir」
蒼兄が点滴のパックを窓際から外すと、それを唯兄が持ってくれ、立ち上がる私を支えてくれた。
ゆっくりと歩き開放感のある玄関にたどり着くと、
「さて、話とはなんだろう?」
静さんは玄関手前の壁に寄りかかっていた。
「あの……ありがとうございます」
「何がかな?」
「湊先生に呼ばれていらしてくれたんじゃ――」
「そのとおりだ」
静さんは一度言葉を区切り、
「翠葉ちゃん、どうしても人にかまわれたくないのなら私のところへ来るといい」