「ま、いいや。とりあえずリィは少し休みなよ」
 唯兄が部屋を出るとき、ドアを閉められそうになって慌てて声をかけた。
「閉めないでっ」
「え……?」
「……あの、閉めないでほしいの……」
 唯兄は不思議そうな顔をしたものの、
「うん、わかった。じゃ、開けとくね」
 この部屋は大好き。
 でも、白い部屋にひとりきりというのはやっぱり少し苦手。
 ここは病院じゃないとわかっていても、自分が病人になった途端に白い壁はどこにいても病院を彷彿とさせるのだ。
 あとは、ただ人の気配が恋しいだけ――。