光のもとでⅠ

「終わった?」
 桃華さんに訊かれて、コクリと頷く。
「……何かあった?」
 先輩に訊かれて、
「なんでもないです。これから帰るだけ」
 幸倉の家に――。
 まだ海斗くんたちにも話してはいなかった。
 今日は教室に寄らずに保健室へ来たから。
「これから生徒会主催の七夕イベントがあるのだけど、大丈夫?」
 桃華さんに顔を覗き込まれ、緩く首を振った。
「私、このあとマンションに戻ったら幸倉のおうちに帰るの」
「え?」
「は?」
「翠葉っ!?」
 三人同じように驚いたけれど、湊先生の「翠葉っ!?」の先には、「あんた何言ってんのよ」と言葉が続きそうだった。