「海斗くんと司先輩はマンションにいるのでしょう?」
 綻びを見つけるように尋ねると、
「海斗っちの勉強仕上がりが悪いみたいで、司くんが鬼になってるらしいよ」
 ……その様は想像ができなくもない。
 でも、夕飯の時間はしっかりと取る人たちだと認識していて、違和感を覚えずにはいられなかった。
「須藤さんが摘んで食べられるものを作ってくれたんだ」
 蒼兄が両手にプレートを持って後ろから会話に混ざる。
「唯はスープカップ持ってきて」
「了解っ!」
「十階の湊さんの部屋で、きっと同じものを食べてると思うよ」
「それならここで食べても……」
 突き詰めて訊いてしまいたい気持ちと、全部を知るのが怖い気持ちが半分半分で語尾が弱くなる。
 すると、蒼兄がクスクスと笑いだした。