「リィ、七時回ったから起きよう」
「ん……」
 まだ頭がはっきりしない中、唯兄に手を引かれて部屋を出た。
 廊下を歩きながら考える。
 もうみんなは集っているのかな……。
 今日は秋斗さんもいるのかな……。
 少し後ろめたい気持ちでリビングに踏み入ると、そこはとても静かだった。
 ……人が、いない?
 会食は……? みんなは?
「今日はみんな予定が合わないみたいなんだよね」
 唯兄の言葉に疑いの眼差しを向ける。と、キッチンから蒼兄が出てきた。
「起きた? なら夕飯にしよう。今料理を運ぶからそっちにいな」
 言われるままにラグに腰を下ろしたけれど、変……だよね?