ただ、時間を感じて勉強をするのは久しぶりのことだった。
三クール目に突入したとき、ポーチが開く音がした。
インターホンが鳴って、誰だろう、と思う。
「あんちゃんが出るだろうから、リィは勉強」
と、唯兄は問題を出し始める。
三クール目のクイズが終わる頃、部屋のドアがノックされた。
「はい」と答えると、「ちょっといいか?」と蒼兄がドアを開けた。
「出かけるの?」
訊いてみたものの、時計はまだ四時を回っていない。
「いや、翠葉にお客さん」
お客、さん……?
今は試験期間だから友達が尋ねてくることはないだろう。
「お客さんって、誰?」
「秋斗先輩だよ」
っ…………。
「少し話しがしたいって」
私も話さなくてはいけないことがある。
でも、"話がしたい"という言葉だけで身動きが取れなくなる。
三クール目に突入したとき、ポーチが開く音がした。
インターホンが鳴って、誰だろう、と思う。
「あんちゃんが出るだろうから、リィは勉強」
と、唯兄は問題を出し始める。
三クール目のクイズが終わる頃、部屋のドアがノックされた。
「はい」と答えると、「ちょっといいか?」と蒼兄がドアを開けた。
「出かけるの?」
訊いてみたものの、時計はまだ四時を回っていない。
「いや、翠葉にお客さん」
お客、さん……?
今は試験期間だから友達が尋ねてくることはないだろう。
「お客さんって、誰?」
「秋斗先輩だよ」
っ…………。
「少し話しがしたいって」
私も話さなくてはいけないことがある。
でも、"話がしたい"という言葉だけで身動きが取れなくなる。