光のもとでⅠ

 足元にはタオルケットをかけて、ベッドに背を預ける姿勢。
 しかも、ローテーブルをギリギリ自分の上体の部分まで持ってきているので、ベッドとローテーブルの間は三十センチもない。
 けれど、今日発見した一番楽な姿勢なのだ。
 その状態で勉強を始めてどのくらい経った頃だろうか。
 コツン、と額に衝撃を感じて顔を上げると、目の前にふたりの兄がいた。
「翠葉、なんて状態で勉強してるんだ?」
「リィ、実は狭いとこ大好き?」
「あ……えと、好きかも……」
 さっきもカウンターの隅で落ち着いてしまったし、今も十二分に狭いスペースに身を置いている。
「とはいえ、もう十二時だよ」
 と、唯兄に透明のカップを差し出された。
 ほんのりと黄味がかった緑色の液体。
 香りがカモミール。
「お茶飲んだら寝な?」
 と、蒼兄に言われる。
 カップが三つあることから一緒に飲もう、ということだろう。