目を瞠ったのは唯兄だけではなかった。
 湊先生も動作を止めて私を凝視していた。
「え……おかしい、ですか?」
「……あんた、それ、内容覚えてたりしないわよね?」
 苦笑を湊先生に返された。
「えと……基本的には覚えています。でも、あまりにも脈絡のない夢が多くて変な話ですけど……」
「……寝た気しなさそう」
 と、ムンクの叫びの真似したのは唯兄で、先生は短く「若槻に同感」と口にしてカーテンを出ていった。