私には苦手な中にさらに苦手な科目がある。
 それは英語のオーラルコミュニケーション。
 試験自体はリスニングが中心となり、それに対する答えを書いていけばいいだけ。
 この科目の盲点はそこではない。授業にある。
 オーラルコミュニケーションとは、コミュニケーションを重視するために、授業での発言や会話に重点が置かれているのだ。
 手を挙げて発言したり、率先して話しに混ざるというのはとても苦手。
 里見先輩の話だと、ほかの科目とは異なり、授業とテストが五分五分で評価されるらしい。
 全国模試もピンチだったけれど、これはテストが……というよりは普段の授業がネックな科目。
 それが土曜日の一限のテスト科目だった。
 浮かない気持ちで二限の数学を始め、とくだん難しいという印象も抱かず最初から順番に解いていく。
 三教科を終わらせテーブルに突っ伏す。