――音がない。
私は保健室で寝ていたはずで、保健室には時計の秒針の音や二階のクラスで椅子を引き摺る音、湊先生がマグカップを置く音やパソコンを操作する音がするはずなのに、その音がない。
静けさに不安を感じ目を開けると、マンションの自室だった。
ほっとして手に入った力を抜く。
「おはよう」
と、声をかけてくれたのは楓先生で……。
「……どうして?」
「今日は休みなんだ」
楓先生がにこりと笑う。
「お日様……」
笑った楓先生がお日様のように見えた。けれど、先生は窓の外に目を向ける。
「お日様? 外は生憎雨が降り出しちゃったけど?」
雨……そっか、雨か……。
「まだ頭ぼーっとしてる?」
「あ、いえ……大丈夫です」
「痛みは?」
「今は少し痛いだけ」
「そう」
と、柔らかな笑みを浮かべると、
「じゃぁ、とりあえずお昼ご飯を食べようね」
と、身体を起こすのを手伝ってくれた。
私は保健室で寝ていたはずで、保健室には時計の秒針の音や二階のクラスで椅子を引き摺る音、湊先生がマグカップを置く音やパソコンを操作する音がするはずなのに、その音がない。
静けさに不安を感じ目を開けると、マンションの自室だった。
ほっとして手に入った力を抜く。
「おはよう」
と、声をかけてくれたのは楓先生で……。
「……どうして?」
「今日は休みなんだ」
楓先生がにこりと笑う。
「お日様……」
笑った楓先生がお日様のように見えた。けれど、先生は窓の外に目を向ける。
「お日様? 外は生憎雨が降り出しちゃったけど?」
雨……そっか、雨か……。
「まだ頭ぼーっとしてる?」
「あ、いえ……大丈夫です」
「痛みは?」
「今は少し痛いだけ」
「そう」
と、柔らかな笑みを浮かべると、
「じゃぁ、とりあえずお昼ご飯を食べようね」
と、身体を起こすのを手伝ってくれた。


