「痛……」
 もう、嫌……。
 あと何度この痛みに耐えればいいのだろうか。
 発作に気づいたのか、湊先生がカーテンを開いた。
「薬が効きそうなレベルっ?」
「無理、かも――」
 痛くて涙が出てくる。
 呼吸をすることすら苦痛だ。
「痛み止め打つからちょっと待ちなさい」
 すぐに戸棚を開ける音がして、カチャカチャと音がし始めた。
 それはステンレストレイの上で作業する音。
 腕を消毒され、すぐに筋肉注射を打たれる。
「少しの我慢よ……」
 湊先生は涙をティッシュで拭いてくれた。
 五分もすると痛みが引き始め、意識が朦朧とし出す。
「少し休みなさい……」
 その声を最後に意識が途絶えた。