光のもとでⅠ

「理美の言うとおりよ。千里、誰かがいなかったらなんて使っていい言葉じゃないでしょ。それに、私が五位転落したのは自分に力がなかったからほかならない。人のせいにするつもりなんてサラサラないわ」
「こんなやつ放っておいて行こうっ」
 と、すぐさま理美ちゃんに手を引かれた。
 けれども、頭の中にはサザナミくんの言葉がずっと響いたままだった。
『御園生さんがこの学校にいなかったら――』
 きっとサザナミくんに悪気はない。
 でも、その言葉は私にとって聞き流せる類の言葉ではなかった。
 私がいなかったら――。
 家族にはどんな生活があったのだろう……。
 大きく変わるのはそこだけな気がした。
 私がもしいなかったら、私はこの学校に来ることだってなかったのだ。
 誰の記憶に残ることもない。
 私という人間がひとりいなくなったところで、何かが滞ったり、誰かが困ることなど何ひとつない気がした。