「明日の朝の分もあるし、さっき栞さんに電話してスープの作り方も聞いたから」
 唯兄の言葉に少しびっくりしていた。
 そして、言おうかどうしようか悩んで、結果的に話すことにした。
「唯兄、あのね――」
「俺ら、テストが終わったら幸倉に帰るけど、唯はどうする?」
 私の言葉を追い越して蒼兄が口にした。
「そうなの? どうしよっかなぁ……。リィがここにいないんじゃ、俺がここにいる意味ないしなぁ」
 ……やっぱり、私がここにいるから唯兄もここにいるんだよね。
「俺も一緒に行ったら迷惑?」
 え……?
「部屋はひとつ空いてるから問題ないぞ? 今なら俺の部屋のパソコンはメインコンピューターにつながってるし」
「あぁ、あれはすごく簡易的なものだから、少し手を加えなくちゃいけないけど、そんなに大変な作業でもないかな? 蔵元さんのお許しが出たらそうしようかなー?」