光のもとでⅠ

 頭を抱えていると、後ろの席から桃華さんに声をかけられた。
「そんなに気に病まなくてもいいわよ。ただ、人が恋しくなったら聴いて? うちのクラスの想いがこもってるから。それから、恋愛の醍醐味もわかるかもしれないわよ?」
「……うん、試験が終わったら必ず聴くから」
 授業には全く身が入らず、先生に指名されたときはヒヤリとした。
 咄嗟に暗算で回答を出したものの、当たっているかは怪しい限りで、手に汗を握った。
 けれども答えはあっていたらしく、
「おまえのその暗算能力は大したものだな? 上の空だから指したのに返り討ちに遭った気分だ」
 と、先生に言われてしまって、「すみません」と縮こまって謝罪した。
 授業が終わると、みんなが教室から出る前に大きな声を出した。
「あのっ、誕生日プレゼントのCD、まだ聴いてなくてごめんなさいっ」
 ちゃんとクラス全員に謝らないといけない気がして、がんばって声を張った。
 許してもらえるまで頭なんて上げられない……。
 そう思っていると、クスクス、とところどころから笑い声が聞こえてくる。