光のもとでⅠ

 若干相手が気になるものの、この人はやっぱり変だ、と俺の中で烙印を押させてもらった。
 重度よりさらに悪性腫瘍っぽいシスコン。
 俺がセリを好きなことなんて、普通だよ、って思えちゃうくらいに変。
 俺、さっきまで自分を異常者だと思っていたのに、その俺が自分はこの人よりはまともなんじゃないか、と思えてしまうくらいに変。
 変態扱いされないで済んだのは嬉しいけど、なんだか複雑……。
 話してすっきり、というか、俺、この人に話して良かったんだろうか、という疑問が沸々と……。
「でも、そっか……それならすごくつらい出来事だったよな。三年やそこらじゃ払拭できないよ」
「……?」
「好きな人でもあり、実の妹でもあり、その子の病状を目の当たりにしてきたのに、事故で亡くすなんて……俺なら発狂してると思う。間違いなく狂う。それが、両親の企てだなんていう状況ならなおさらだ。……唯、強いな」
 俺を見るでもなく、フローリングの一点を見ながら口にした。