先輩の病室を出て考える。
唯のことも気にはなるものの、これは翠葉にとってはプレッシャーがかかりすぎじゃないだろうか……。
不整脈の心配をしつつ駐車場へと向かっている途中、秋斗先輩から電話がかかってきた。
『蔵元がマンションのカフェフロアに待機してる。若槻には仕事を一個丸まる投げてあるみたいだから、早くても七時までは仕事をしているだろうって』
「わかりました」
皆さん、手抜かりないことで……。
時計を見れば六時を回っていた。
少しだけ、少しだけ声が聞きたい。
リダイヤルから番号を呼びだし通話ボタンを押す。
一コール二コール三コール――。
五コールして出なかったら切ろう。
そう思っていると、四コール目が切れる直前で「はい」と落ち着いた声が耳に届いた。
「桃華?」
『はい、私の携帯です』
クスクスと笑う声が耳に優しく響く。
唯のことも気にはなるものの、これは翠葉にとってはプレッシャーがかかりすぎじゃないだろうか……。
不整脈の心配をしつつ駐車場へと向かっている途中、秋斗先輩から電話がかかってきた。
『蔵元がマンションのカフェフロアに待機してる。若槻には仕事を一個丸まる投げてあるみたいだから、早くても七時までは仕事をしているだろうって』
「わかりました」
皆さん、手抜かりないことで……。
時計を見れば六時を回っていた。
少しだけ、少しだけ声が聞きたい。
リダイヤルから番号を呼びだし通話ボタンを押す。
一コール二コール三コール――。
五コールして出なかったら切ろう。
そう思っていると、四コール目が切れる直前で「はい」と落ち着いた声が耳に届いた。
「桃華?」
『はい、私の携帯です』
クスクスと笑う声が耳に優しく響く。


