光のもとでⅠ

「了解。じゃぁ桃華って呼ばせてもらう」
 言うと、彼女は嬉しそうにはにかんだ。
「あと、今週学校のあとに少しだけお付き合いいただきたいんですっ」
「なんだろ?」
「本当は着物で出席しなくてはいけないのですが、どうしてもドレスで行きたくて」
「……もしかしなくてもかなり大ごと?」
「……それ相応に」
 彼女は肩を竦めて見せる。
 これは静さんにご助力いただくかな……。
 俺の相手役とわかれば惜しまず協力してもらえるだろう。
「わかった。じゃ、ドレスのショップは俺に任せてもらえる?」
「え?」
「ホテルのオーナーが絶対に力になってくれるから」
 安心させるように声をかけると、
「……助かります」
 今度は彼女の肩から力が抜けた。
「よし、じゃ今度こそ本当に家まで送るよ」
 それに、「はい」と嬉しそうに微笑んだ。
 まいったな……。
 俺、やっぱり彼女を好きになった……。