「わかった。じゃ、バス停まで乗せていくよ」
言うと、佐野くんは頷いた。
「でも、女の子ふたりは家まで送るの強制ね? 夏は変な人が出る率も高いから」
適当な理由をつけると、女の子ふたりにはお礼を言われた。
「翠葉、ちょっと行ってくるな」
翠葉の顔を見ると、「うん」と満足そうに頷ている。
なんとなく泣いたあとのような気もしたけれど、今は嬉しそうだ。
やっぱり友達に会えたのが嬉しかったんだろうな。
そんな翠葉の顔にほっとしていると、背後から衝撃が――。
「シスコンっ」
海斗くんの一撃だった。
「……さすが先輩の弟」
その場がどっと沸き、「じゃ、翠葉またね」などと各々口にして部屋を出る。
翠葉は海斗くんが残るからか、そんなに寂しそうな顔はしていなかった。
翠葉、少しずつ慣れるよ。
今日の別れが今生の別れじゃない。また、すぐに会えるんだ。
海斗くん以外の三人は翠葉からの連絡をひたすら待っていたという。
翠葉が会いたい、来てほしいと一言メールすれば、すぐに来てくれたんだ。
言うと、佐野くんは頷いた。
「でも、女の子ふたりは家まで送るの強制ね? 夏は変な人が出る率も高いから」
適当な理由をつけると、女の子ふたりにはお礼を言われた。
「翠葉、ちょっと行ってくるな」
翠葉の顔を見ると、「うん」と満足そうに頷ている。
なんとなく泣いたあとのような気もしたけれど、今は嬉しそうだ。
やっぱり友達に会えたのが嬉しかったんだろうな。
そんな翠葉の顔にほっとしていると、背後から衝撃が――。
「シスコンっ」
海斗くんの一撃だった。
「……さすが先輩の弟」
その場がどっと沸き、「じゃ、翠葉またね」などと各々口にして部屋を出る。
翠葉は海斗くんが残るからか、そんなに寂しそうな顔はしていなかった。
翠葉、少しずつ慣れるよ。
今日の別れが今生の別れじゃない。また、すぐに会えるんだ。
海斗くん以外の三人は翠葉からの連絡をひたすら待っていたという。
翠葉が会いたい、来てほしいと一言メールすれば、すぐに来てくれたんだ。


