玄関を出ると、すでにエレベーターホールに蒼樹さんが立っており、私たちがエレベーターホールに着くとちょうどエレベーターがやってきた。
中に乗り込むと、自然と蒼樹さんの顔を見てしまう。
……憂い顔?
もしかしたら翠葉のことを考えているのかもしれない。
「そんな顔をしているときは、たいてい翠葉のこと考えていますよね?」
声をかけると、目を見開いて驚いた顔をした。
「あはは、俺、どんな顔してたのかな」
と、否定はしない返答。
この人の世界は翠葉を中心に回っているのかもしれない。
「……そうですねぇ。娘を嫁に出す父親?」
そんなふうに表現したのは飛鳥だった。
「あ、そんな感じっすね」
と、佐野。
「ねぇ、君たち……。俺二十四になったばかりなんだけど、何歳で子どもつくれば十七歳の娘ができるんだよ」
こういうところは翠葉とそっくり。
「やだ、蒼樹さん。まともに取らないでくださいよ」
そう言っては笑いが止まらなくなって肩を震わせて笑ってしまう。
翠葉もそうだけど、蒼樹さんも言われたことを真に受けるタイプなのだろう。
中に乗り込むと、自然と蒼樹さんの顔を見てしまう。
……憂い顔?
もしかしたら翠葉のことを考えているのかもしれない。
「そんな顔をしているときは、たいてい翠葉のこと考えていますよね?」
声をかけると、目を見開いて驚いた顔をした。
「あはは、俺、どんな顔してたのかな」
と、否定はしない返答。
この人の世界は翠葉を中心に回っているのかもしれない。
「……そうですねぇ。娘を嫁に出す父親?」
そんなふうに表現したのは飛鳥だった。
「あ、そんな感じっすね」
と、佐野。
「ねぇ、君たち……。俺二十四になったばかりなんだけど、何歳で子どもつくれば十七歳の娘ができるんだよ」
こういうところは翠葉とそっくり。
「やだ、蒼樹さん。まともに取らないでくださいよ」
そう言っては笑いが止まらなくなって肩を震わせて笑ってしまう。
翠葉もそうだけど、蒼樹さんも言われたことを真に受けるタイプなのだろう。


