きっと私は蒼樹さんのことが好きだ。
 もし付き合えたならデートもしたいし色んな話をしたい。
 どんなことが好きなのか、食べ物は何が好きで何が嫌いなのか。
 手だってつなぎたいし、キスもしたい……かな。
 不意に、あの端整な顔が脳裏に浮かび頬が熱を持つ。
「桃華、顔赤いよ?」
「えっ!? あ、少し暑いだけ……」
 私らしくない間抜けな言い訳……。
 この部屋普通にエアコンきいているのに。
 でも……その先、翠葉が一番気にしている部分。
 性行為、これは別ものかしらね……。
 彼氏彼女恋人はいい。
 でも、婚約や結婚はそんなに安易に決めていいものじゃない。
 だから、お見合いなんて真っ平ごめんだわ……。
 "お見合い"という言葉を思い出すだけでも嫌気がさす。
 次の日曜日はどうやって切り抜けようか……。
 誰か隣に立ってくれる人――蒼樹さんにお願いできないかしら……。
 ――違う、今は翠葉の相談内容を考えなくちゃ。